個人賠償責任保険の補償対象は?どんな状態が保険金支払いになる?どのような手続きをする?
個人賠償責任保険の補償対象について
個人賠償責任保険の補償対象となる状態とは?
個人賠償責任保険の補償内容
個人賠償責任保険は、個人が日常生活の中で、第三者の身体や財物に対して法律上の損害賠償責任を負った場合に補償されます。
保険金が支払いとならない要件(下記参照)はありますが、日常生活全般を補償するものなので補償の範囲はかなり広くなっています。
最近の動きとして責任無能力者を監督するその親族(認知症の親を介護する子など)を記名被保険者に拡大したり、同性間パートナーを配偶者の定義に含める動きなどがでてきています。
対象とならない主な事故は下記の通りです。
- 職務の遂行中の賠償事故
- 車両(船舶・航空機等も)の所有や使用・管理により発生した事故
- 闘争行為(いわゆるケンカ)
- 他人から借り物を壊した場合の賠償事故
- 同居の親族に対する損害賠償
職務遂行に起因する事故(飲食店で料理を客の服にこぼした等)や車両に関する事故は、それを補償する保険(業務向けの賠償保険や自動車保険)が別にあるためです。
気になるのは4つめの「他人からの借りた物」です。他人の物であっても借りている人の所有・使用・管理下にあれば(管理財物・借用財物などと言う)対象としないという規定になっています。
なお、最近は他人からの借り物を補償するものも一部発売されています。まだ主流ではありませんが、「借用財物」「受託物」などの名称で別途補償が付帯しているケースがあります。
個人賠償責任保険の対象となる人
個人賠償責任保険は、補償の対象となる人の範囲が広いです。
本人、配偶者、同居の親族、生計を一にする別居の未婚の子(仕送りを受けている学生など)
その家の生計維持者などが加入していれば、ほぼ同居の家族全員等をカバーすることができます。夫婦で重複して加入する必要はなく、家族型に入る必要もありません。
個人賠償責任保険の保険金支払事由について
下記の通り、どれも身近で起こりうるトラブルばかりです。私たちがこうした事故やトラブルで損害賠償責任を負った際に対応してくれますし、場合によっては弁護士が示談の代理をしてくれるケースもあります。
マンションで洗濯機の排水ホースが外れて階下に水漏れ
飼い犬が散歩中、通りがかった人に噛みついてケガをさせた
買い物に行った際、誤って商品を落として壊してしまった
自転車で駅に向かう途中、人にぶつかってケガをさせた
スキーをしていて人にケガをさせた
立食パーティでトレーにのっていた食事を落とし、人のドレスを汚してしまった
子どもがキャッチボールをしていて人の家の窓ガラスを割ってしまった
保険金の決め方
事故が起こり損害を与えた人や物に対して、それが事故前の状態に戻すのにかかったお金が損害金です。
弁償した金額や治療費等や治療等の間に仕事が出来なかったり、営業が出来なかったりという休業損害等の慰謝料がこれにあたります。
その損害金額は、人であれば、ケガが治るまでの治療費(医者がもう治ったと言うまで)であり、物であれば、同じものが買える金額か修理代等です。
個人賠償責任保険の請求手続きについて
⑴賠償責任が補償対象になっているか?保険証券などで確認する
契約している損害保険で補償される契約になっているのか?
そして補償される場合は、どれだけの保険金を受け取れるのか?を保険証券などで平時に確認しておくことが欠かせません。
⑵保険会社に連絡する
まずは保険会社(事故受付窓口)へ連絡
保険金を請求するときの第一歩は損保会社へ連絡することです。
損保会社の事故受付窓口(サービスセンター)に連絡をし、契約内容を確認してもらい、事故の概要や連絡先を伝えます。
保険金が出るかわからない場合も、まずは連絡してみましょう。
契約した時の保険代理店に連絡する場合は、その代理店が事故受付窓口であるサービスセンターに中継ぎしてくれます。
サービスセンターが判断
サービスセンターは、事故報告の内容を受付し、保険金の支払い対象となる事故かどうかを判定します。
対象となる場合には、担当者から契約者に必要書類が案内されます。
一方、保険金の支払い対象にならず、請求ができない場合には、契約者にその旨の説明がなされます。
サービスセンターの担当により損害額が精査され、支払保険金額が確定されます。
支払保険金額が確定すると、サービスセンターの担当は契約者に保険金の算出根拠を説明し、保険金請求手続きに入ることになります。
⑶大きな損害額の場合は、鑑定人による立会調査が入る
大きな損害が生じていたり、写真や書類のやり取りだけでは損害の把握が難しい事故もあります。
この場合には第三者機関による鑑定調査が損害調査員の立ち合いで行われます。
つまり、損害を受けた住宅等を、プロの調査員が直接確認します。
損害調査員とは損害保険協会の専門の試験に合格するなどした「損害保険登録鑑定人」を指します。
事故原因や事故状況の調査を行いますが、損害調査員には中立な立場で公正に損害額を算出することが求められます。
鑑定人が入らない場合は、損保会社に連絡してから約1か月以内で保険金が支払われます。
鑑定人の立ち合いが必要な場合には、30日から60日程度です。
保険金の請求期限は損害を受けた日から3年です。
速やかに事故があった旨の連絡を行い、保険金請求手続きを迅速に行いましょう。
必要書類
(1)保険会社所定の保険金請求書
(2)保険会社所定の事故内容報告書、損害または費用の発生を確認する書類およびその他これに類する書類(事故発生の状況・日時・場 所、事故の原因、損害または費用発生の有無を確認するための書類)。
(3)損害賠償の額および損害賠償請求権者を確認する書類
(4)身体障害、ケガの発生およびその額を確認する書類
(5)損害が生じた物の価額、損害の額または費用の額を確認する書類
(6)その他必要に応じて保険会社が求める書類
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